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zoom RSS 長編童話  楽園の王者 

<<   作成日時 : 2010/06/13 21:07   >>

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 1  誕生、 母子の別れ

昨年の夏の夜でした。
 芋畑の堆肥の中に、お母さんカブト虫が、白くてつやつやした、米つぶよりも小さな卵を5個産みました。
「 どの子もかわいい大切な子やでな、みんな仲良ぅ元気でな。
お母さんはいつでも、どこにおっても、皆の無事成長と幸福を祈ってるでな 」
 お母さんは優しく話しかけて、いつまでもなごりおしそうにしていましたが、心を決めると飛び立っていきました。
 5匹の子達は白い殻の中ですくすく育ち、10日目には次次とその殻を破って、真っ白な、けなげな赤ちゃん幼虫にかえったのでした。
 土の中で幼虫達は、誰と争うこともなくのんびりと、腐葉土をたっぶり食べて過ごしました。
 父母については、幼虫の誰もが会ったこともなく、何も知らないのでした。
秋の初めに、食べ物の樹液が枯れて他界されたことも。
 いつしか秋は冬となり春となり、今年も暑い夏がきました。
 丸々太って大きく育った幼虫達は、7月の初めにさなぎになり、三週間目にさなぎの皮を破りぬいだのです。
それから3日、4日目には、黒褐色(くろかっしょく)の姿も立派な成虫となりました。
 この日まで、身体にきのこが生える病にかかることもなく、天敵のモグラに食われることもなく。     
                                   
 つづく。
               
                   

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